タイトルにある通り、2021年12月から8ヶ月間、中小企業診断士1次試験の勉強をしていました。
結論から言うと、試験には落ちました。
合格したのは7科目中2科目のみで、5科目落ちという結果でした!(泣)
しかし、落ちたからこそ語れることもあると思います。
この記事は試験を受けた経験から、「来年もう一度受けるとしたらどうするか」「これから診断士試験を受ける大学生に何を伝えるか」という目線で書くことにしました。
中小企業診断士試験の概要
試験の難易度について
大手資格の学校のサイトによると、合格に必要な最低時間は1000時間です。
私もこの数字が間違っているとは思いませんが、大学生が受験する場合は注意が必要だと考えています。
理由は大学生は高確率で実務経験がないからです。
実務経験のある人ならテキストを読んだ時に「あの現場の時にこうだったもんな…」と慣れるようなところも、実務経験がない人は想像で賄うしかありません。
大した差ではないと思うかもしれませんが、1周目の新しいことを学んでいる時の疲労感を軽減し、復習量も減らせるため、全体で見るととても大きな差です。
また、大学生に限らず科目の多さには注意が必要です。
中小企業診断士試験では7つの科目を受験する必要があります。
幅広い分野を学習するのが得意な人であれば良いですが、1つの分野を深く学ぶ方が得意という人は苦労すると思います。
また、1つずつ終わらせていこうとすると、最初の方にやった科目を忘れてしまうという事態になりかねないため、勉強する際に計画力も必要になります。
受験層について
私が受験した仙台会場の中の1教室を標本とした話をします。
また、年齢や性別は私の勘なので正確ではありませんが、イメージは掴めるはずです。

受験しているのは40〜60歳の男性が6割で、20代後半から40歳までの男性が3割、20代前半以下の男性と女性が残りの1割という構成でした。
大学生で受けているのは私の他に2、3人くらいだったと思います。
仕事で疲れているのに、合間で勉強して合格している方は本当に尊敬します。
大学生も少数ではありますが、受験生はいるので安心してください。
大学生が診断士試験を受けるメリット
大学の講義と相乗効果が生まれる
診断士試験の科目と大学の講義で扱う内容が被っている場合、「あ、これ授業でやったやつだ」という状態を双方で作り出せます。
私は、大学で経済系の学部にいるので、講義では周囲の学生より理解が速く、診断士試験では大学の講義で受けた内容を思い出しながら解くことができました。
また、運営管理と情報システムの2科目で統計学に関する知識を問う問題がありましたが、講義で統計学を受けていなければ解けていなかったと思います。
このように資格勉強のおかげで大学の講義内容を理解しやすくなったり、講義のおかげで資格勉強がスムーズに進んだりしました。
大学生活では得られない知識が得られる
先述の通り中小企業診断士の勉強は大学の講義の内容と被ることがあります。
しかし、当たり前ですが全ての範囲が被るということはありません。
また、分野を掛け合わせたような内容も存在するため、大学の講義の応用編のような気持ちで勉強することもできます。
例えば、運営管理という生産〜物流までの効率化について学ぶことがあります。
これは生産・システム工学という学問領域に含まれ、工学部系の人が学ぶ内容ですが、経済・経営とも関連しています。
私は経済学部なので普段の講義の応用編を学ぶ感覚で進めることができました。
このように専攻外の分野を一から学ぶだけでなく、「自分の専攻+何か」という応用感覚で学ぶことができます。
自分の現在地を知ることができる
私は診断士試験は、社会人との力の差を感じる機会になったと考えています。
理由は2つあります。
- 現場で得た知識を元に問題を解くから、解くスピードが速い
- 仕事と両立させて受験に臨んでいる
試験の結果云々は別として、上記の2点で社会人との差を感じました。
例えば、「運営管理」の科目は試験時間90分で設定されていたのですが、ある社会人は30分程で途中退出していました。
この30分というのはウサイン・ボルト級の速さで、私はこの時点で4割回答した所でした。
おそらくその社会人は、仕事で生産管理系のことをしているはずです。
私が机でコツコツやったところで、現場で得た知識には敵いません。
また、社会人と大学生で比べると、拘束時間の長さや休日の少なさから、社会人の方が勉強に回せる時間が少ないです。
よって、より効率的に学習を進める必要があり、計画力と実行力が試されます。
私も計画を立てて勉強していたのですが、この点でも社会人には及びませんでした。
なお、計画と振り返りの仕方については下の方で書いています。
大学生が診断士試験を受けるデメリット
複数活動の両立が難しい
診断士1次試験合格に必要な勉強時間は最低でも1000時間と言われています。
「大学生は人生の夏休み」と言われますが、大学の勉強にサークル活動やバイトなど、実際にやることは多くて忙しいですよね?
私は、サークルには入っていないのですが、バイトとブログをやっています。
春休みが終わり、大学の勉強が入ってくると、「大学×バイト×診断士×ブログ」の両立は出来ませんでした。
結局、ブログの更新を辞めて、それ以外の3つに注力していました。
このように、何かとやることが多い大学生にとっては、長い勉強時間を必要とする診断士の試験と複数活動の両立は難しいです。
テスト期間は資格の勉強をできない
テスト期間は、資格の勉強はほとんど出来ませんでした。
診断士の試験は8月の6・7日で、大学の試験は7月半ば~8月3日までありました。
単位を落とすわけには行かないので、大学の勉強をしていると、その期間は診断士の勉強をできません。
参考までに、私の前期の単位数は33単位でした。 普通の大学生よりは多いと思います。
しかし、仮に24単位だったとしても、大学の試験勉強のために、診断士の勉強に回せる時間は削られてしまいます。
大学生に人気な資格より金がかかる
大学生が受ける資格試験といえば、簿記やTOEIC、FPなどが有力です。
中小企業診断士の受験には、これらの試験とは比にならないくらい金がかかります。
具体的には、参考書と問題集代と受験料がかかります。
まず、受験料は13000円で、他の資格よりは高めです。
資格 | 受験料 |
---|---|
中小企業診断士 | 13000円 |
簿記3級 | 2850円 |
簿記2級 | 4720円 |
FP3級 | 6000円 |
TOEIC | 7810円 |
MOS | 9800~11800円 |
次に、参考書と問題集代についてです。
参考書と問題集も、試験科目の多さから、他の資格よりも高くなってしまいます。
私は、参考書を1種類、問題集を3種類で、合計10万円分買いました。
絶対に問題集は3種類もいりません!1種類で十分です!
教材については、下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

診断士試験を受ける上で意識すること
目的の明確化
「なぜ診断士試験を受けるのか」を明確にしてから受験勉強をしましょう。
なぜなら、きちんとした理由があって先に進むことが出来るからです。
資格勉強の目的には、大きく分けると「知識の獲得」と「資格取得」の2種類があります。
私の場合だと、「企業経営に関する幅広い知識を身につけること」が目的なので、「知識の獲得」になります。
この目的では、診断士試験を受験をする意味は知識が身についているかの確認です。
私は落ちたので、まだ不十分だったという事になりますが、資格取得する事が目的では無いと判断したため、来年の受験はしないことにしました。
反対に、資格取得が目的の人は試験の合格が絶対条件となるので、落ちたら次の年も受験するはずです。
このように、最初に目的を定めていれば、勉強のモチベーションにもなりますし、仮に落ちたとしても素早く次の判断をすることができます。
広く深い理解をする
診断士試験の勉強をしていると、科目数が多いため、広く浅い勉強になりがちですが、全く意味がありません。
なぜなら、浅い勉強では記憶に残らない上に、応用問題に対応できないからです。
私は、効率性を求めて、過去問とテキストを中心に学習していました。
しかし、何回も同じ問題を解くより、その知識を1回使った方が覚えられます。
例えば、経営理論だったら、自分でフレームワークを使ってみたり、実際の企業の行動に当てはめてみる方が、過去問を何回も回すよりも理解が深まります。
また、広く深い理解をするためには、「実際に使ってみる」の他に、次で説明する「計画と実行と振り返り」が重要です。
計画と実行と振り返り
診断士試験は「計画・実行・振り返り」のサイクルを回すことが重要だと感じました。
科目ごとの勉強時間に偏りが出たり、そもそも勉強時間が不足したりすると致命的だからです。
私は、8ヶ月の内、最初の4ヶ月は何も計画を立てずに気合いで勉強していました。
その結果、模試で赤点を連発するという悲惨な結果を生んでしまいました笑
しかし、5ヶ月目から計画を立ててする事で、効率的に勉強を進めることが出来ました。
具体的にゴールを意識した勉強を出来るので、緊張感を持ちながら勉強に集中することが出来ます。
- 1ヶ月ごとに「教材の進度」や「点数」などの目標を立てる
- 1週間ごとの目標に細分化する
- 実行
- 週末に振り返りをして次の週の目標を立てる
このように、逆算して目標を立てて、実行して振り返っていました。
また、目標の管理や進捗の確認などにNotionを使ってやっていました。
Notionで目標の管理をしたい方は下の記事をどうぞ。

おわりに
以上が、8ヶ月間で得た診断士試験のノウハウです。
おそらく、大学生のうちにもう一度診断士の試験を受けることはありません。
しかし、この8ヶ月間で、自分に足りなかった知識を得ることができたり、これからの自分に足りない力を確認することができました。
この経験を糧に、残りの大学生活でチャレンジしていきます!
4ヶ月ほど、ブログを放置してしまいましたが、目標達成に向けて頑張ります!
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