この記事では、Ankiでカードの効率的な作り方とカードを検索する方法を紹介します。
Ankiについてあまり詳しくないという方でも、専門用語や始め方の説明もあるので、簡単に理解できると思います。
Anki学習をしていて、
「もっと効率的にカードを作りたい!」
「今日間違えたところだけを復習したい!」
と思うことはありませんか?
それらのやり方をしっかり解説していくので、ぜひ見ていってください。
- Ankiの専門用語
- Anki学習の始め方
- エクセル、スプレッドシートを使った作り方
- 色々な出題方法
- 作った暗記カードの検索の仕方
Ankiとは
Ankiとは、「記憶から抜けそうな時に、自動でカードを表示してくれる」アプリです。
エビングハウスの忘却曲線で示されているように、人間は覚えた物をすぐに忘れてしまいます。 この忘却曲線に従って、適切な時期に自動で問題を出してくれるので、単語帳をペラペラするより、何倍も効率的に学習することができます。

Ankiの専門用語
Anki初心者が最低限抑えておきたい専門用語を説明します。
すぐ下にある専門用語のリストから、各見出しに飛べるので、知りたいところだけ確認してください。
デッキ

デッキとは、カードを分類してグループ化する物です。
簡単に言うと、カードの集まりのことを言います。
さらに、デッキは階層ごとに分けることが出来るので、見た目を整理しやすいです。
例えば、上の画像で言うと一番上の階層に「企業経営理論」というデッキがあります。
その下の階層に、「マーケティング」「組織論」というデッキがあり、さらにその下に「チャネルの設計、、、」と続いていきます。
カード

上の画像の様に質問を表面、回答を裏面に表示し、二面一組で1枚のカードを構成します。
カードには学習履歴・復習スケジュール等の情報も保存していて、数字の色に反映されます。
- 青数字:今日新しく学習するカード
- 赤数字:今日学習するカードの内、現在学習中のカード
- 緑数字:今日復習することになっているカード
下の画像には赤い数字はありませんが、学習中の場合、赤い数字が出てきます。

コレクション
カードの集合がデッキでしたが、デッキの集合はコレクションと言います。
コレクションは、Ankiを開いたら最初に出てくる画面です。
コレクションは名前順で並びます。
デッキを沢山作りたい人は、デッキ名の先頭に数字を付けておくと、表示させたい順番で表示できます。

アドオン
Ankiを機能拡張するための外部プログラムの事を指します。
拡張機能を使うことで、Ankiの出題形式を増やしたり、学習時間を表示したりすることが出来ます。
後半で私が問題を作る時に使っているアドオンを紹介しています。
便利なアドオンがまとめてあるサイトもあるので、アドオンだけ集中して調べたい時はこちらのサイトを参考にしてみてください。
共有デッキ
共有デッキとは、誰かが作成して公開したデッキのことです。
AnkiWebもしくはPC版アプリからダウンロードすることで、自分でデッキを作らずとも学習を開始することが出来ます。
ただし、ライセンス的にNGの物もありますし、誰も共有デッキ化していない物もあり、共有デッキとして使えないものもあります。
自分が勉強している物の共有デッキが存在するのかチェックが必要です。
AnkiWeb
Ankiwebはブラウザ版(無料)のAnkiです。
詳しくは、次の項目で説明しますが、AnkiWebからアカウントを作成してからAnkiアプリで学習を開始します。
Ankiアプリと同期することで、複数の機器で学習を進めることが出来ます。
同期方法については、こちらの記事が分かりやすかったです。
Ankiで学習を始める方法
AnkiWeb
まずは、AnkiWebのページに飛んでアカウントを作ります。
次に、右上のサインアップを押します。

すると、次のようなメールアドレスとパスワードの設定画面が出てきます。
入力するとアカウントの作成完了です。

アカウントが出来たので、次はAnkiアプリと同期します。 AnkiWebでそのまま学習を続けても大丈夫ですが、あまりオススメしません。
AnkiWebだけだと、電車の中とかで出来ないのでw
Ankiアプリ
AnkiアプリをApp Store、もしくはGoogle Play ストアでインストールしてください。
インストールが終わったら、アプリを開いて、右下にある「同期する」ボタンを押してください。

すると、ログイン画面が出てくるので、先ほどAnkiwebで作ったアカウントでログインします。
一度ログインすると、その後は同期するボタンを押したら、Ankiweb版とAnkiアプリ版の内容が同期されます。
ここまで来ると、Ankiwebもしくは、PC版Ankiアプリで問題を作成➡スマホのアプリで反復学習という流れが出来ます。
デッキや問題の作り方
Ankiの出題形式には、以下の4つがあります。
リストからそれぞれの作り方に飛べるようになっているのでご活用ください。
では、それぞれのカードの作り方を説明していきます。
文章単語で出題
文章・単語で出題するには、3つのやり方があります。
Anki内で作る方法とExcelを使った方法とスプレッドシートを使ったやり方です。
カードの量が増えれば増えるほど、エクセル、スプレッドシートを使った作り方の方が効率的に作成できます。
Anki内での作り方
Ankiアプリ内で問題をつくる時は、デッキを作成してから、カードを作成します。
まずは、画面左下の「追加/エクスポート」を押します。

つぎに、1番下の「新しいデッキを作る」を選択します。

「ブログ」というデッキができました。
そして、作ったデッキの中に、カードを追加していきます。
作ったデッキ(ブログ)を押します。

デッキ内に入ったら、ヘッダーの左から2番目にある”追加”を押してください。

そして、最後にカードの表面・裏面・タグを入力して、保存を押したら完了です。

Excelを使った作り方

エクセルとスプレッドシートで問題を作るメリットは、カードを作る手間が減ることです。 作成するカード数が多いときに活用しましょう。
まずは、A列に問題、B列に答えを入力します。
全部入力し終わったら、CSV UTF-8(コンマ区切り)で名前を付けて保存、もしくはエクスポートします。

そして、PC版Ankiアプリで右下にある「ファイルを読み込む」でファイルをインポートします。
最後に、PC版とスマホ版の両方で同期ボタンを押したら、どちらでも問題を解けるようになります。

スプレッドシートを使った作り方
スプレッドシートを使った作り方も、基本的にエクセルと同じと言えます。
エクセルと違うのは、ファイル形式だけです。
スプレッドシートの場合、タブ区切り形式(.tsv)でエクスポートします。
このファイルをエクセルで紹介した物と同じ流れでインポートすると、使えるようになります。
画像・イラスト形式
アドオンの取得
画像問題を作成するときは、画像オクルージョンというアドオンを使用します。
まずは、上のリンクからサイトに飛んでください。
アドオンを取得するときは、PC版Ankiアプリで行うので、パソコンから入ってください。
サイトに飛んだら、下の方に「ダウンロード」という見出しがあります。
そこにある、コードをコピーします。

つぎに、PC版Ankiアプリでアドオンでツールの中から、アドオンをクリックします。

そして新たにアドオンを取得をクリックして、先ほどコピーしたコードをコピーします。
ダウンロードが終わったら、再起動するとアドオンを使えるようになります。

問題の作成法
①カードを追加します。

②ノートタイプを Image Occlusion Enhanced に変更します。

③上のツールバーの右端をクリックします。

④問題にしたい画像ファイルを開きます。

⑤左のツールバーの上から4番目を使って単語を隠します。

⑥Hide all, Guess oneかHide one, Guess oneをクリックしてカードを追加します。

これで完成です。
Hide all, Guess oneとHide one, Guess oneの違いは出題形式です。
どちらも、隠した箇所分のカードが追加されたことになります。
Hide all, Guess oneは、下の画像のように、隠した箇所が全て隠れます。
その中から、赤くなっている部分だけを答えます。

Hide one, Guess oneは、隠した箇所の一部が隠れて出題されます。

画像イラストで出題する方法は、こちらの記事を参考にしました。
穴埋め形式
穴埋め形式の出題は、ノートタイプを変更すれば使えます。
アドオンを入れる必要はありません。
①まずは、「カードを追加」から、ノートタイプを変更します。

②空欄にしたいところにかーそるを合わせて、上のツールバーの中から、下の画像で赤丸にした部分をクリックします。

③すると、{{c1::}}という文字が出てきます。
これが出てきたらカードを追加して完成です。

これが、実際に出題されるときの画面です。

穴埋めで出題する方法は、こちらの記事を参考にしました。
音声形式
アドオンの取得
画像問題を作成するときは、AwesomeTTSというアドオンを使用します。
まずは、上のリンクからサイトに飛んでください。
アドオンを取得するときは、PC版Ankiアプリで行うので、パソコンから入ってください。
サイトに飛ぶと、下の方に「ダウンロード」という見出しがあります。
そこにあるコードをコピーします。

つぎに、PC版Ankiアプリでアドオンでツールの中から、アドオンをクリックします。

そして新たにアドオンを取得をクリックして、先ほどコピーしたコードをコピーします。
ダウンロードが終わったら、再起動するとアドオンを使えるようになります。

問題の作り方
問題の作り方は以下の通りです。
まずは、裏表反転カードを選択します。

次に、ツールバーの右端のラップボタンをクリックします。

最後に、セーブボタンを押して完成です。

音声カードを完成させるには、音声ソフトウェアが必要です。
音声ソフトウェアは有料となっていて、月額5$かかります。
私は、音声カードを使わなくても大して困らない科目なので使っていませんが、必要な人は音声ソフトウェアを利用してください。
音声ソフトウェアを利用してカードを使いたい方はオーサムTTSプラスをご覧ください。
カードを検索する方法
カードを検索する意図は、目的のカードを一覧で表示させるためです。
カード検索で検索をする時は、一問一答形式ではなく、質問と答えが一覧でズラーっと表示されます。
Ankiは忘却曲線に従って、自動で問題を出してくれます。
逆を言えば、自分が重点的に覚えたい内容だとしても、間違えない限り表示してくれません。
例えば、「今日やった中国史めっちゃミスったな~」と言うときです。
デッキの数字が緑(=今日の分の復習はゼロ)の場合でも、定着度に不安があったら、もう一度振り返りしたいと思いませんか?
そんな時に、このカード検索が役に立ちます。
デッキで検索
まず自分が作ったデッキを検索して、その中から目的のカードを探す方法です。
この「デッキで検索」は、カードを探して表示するよりも、カードを整理するときに使えます。
例えば、「このデッキの問題文とタグを変えたい」というような時です。
反対に、カードを探して表示するのには向いていません。
なぜなら、この検索方法はカードがどのデッキに入っているのか分かっている必要があるからです。
検索は下の順で操作します。
- 虫眼鏡マークを押す
- フィルターを選択
- 「デッキ」もしくは「探しているデッキ名」で検索
- カードを探す

①右上の虫眼鏡マークを押す。

②フィルターを選択する
※この時、「deck current」とあるところに入力してはいけません。

③「デッキ」と入力するか、「探しているデッキ名」で検索する

④探しているカードを探す
学習の度合いで検索
この検索方法では、「今日追加したカード」や「今日間違えたカード」を表示させることが出来ます。
そのため、Ankiの自動提示に従うだけで無く、自分で間違えたところを重点的にやることも出来ます。
上で書いた、勉強終わりにもう一度振り返りをする時に使うのがこの検索です。
検索の仕方は、先ほどの「デッキで検索」と途中まで同じです。
まずは、コレクション画面の右上にある虫眼鏡ボタンを押します。

次に、フィルターボタンを押します。

すると、下のような画面になります。
自分が学習したい度合いに合わせて選んだら、問題と答えを一覧で表示させられます。

タグで検索
タグ検索の目的は異なるデッキに入ってるカードに横串を挿す事です。
カードの中には、単元が違っていても共通点があることがあります。
例えば、内閣と国会は違う単元なので、デッキを作るとなると、単元名から「内閣」「国会」の2つを作るのが自然です。
しかし、2つの関係は密接に関わり合っているのでセットで覚えたいはずです。
このような時に、「国会と内閣の関係」というタグを付ければ、一つのデッキのように表示させることが出来ます。
ここからは、画像を用いて説明します。
下の画像のように、「ブログ」と「ブログ2」の2つのデッキを用意しました。

デッキの中はこんな感じのカードが入っています。
そして、どちらにも「日本史」というタグをつけました。


フィルターでタグ検索してみると下の画像のように出てきます。
違うデッキの中に入っていたカードが、同じタグをつけることで、一覧表示することができました!

おわりに
Anki学習を始めたばかりの参考になりましたか?
私もまだ使用歴が浅いので、これからも使い続けていこうと思います。
大学の勉強に加え、結構な勉強時間を必要とする資格勉強しています。
まっしのTwitterでは勉強系の事をつぶやいています。
ブログ垢のはずが、最近は勉強垢になっているので、勉強頑張ってるよ~という人はぜひフォローしてください。
一緒に頑張りましょう‼